【管理栄養士が解説】低温殺菌牛乳のメリットとデメリットって?超高温殺菌との意外な共通点も!

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【管理栄養士が解説】低温殺菌牛乳のメリットとデメリットって?超高温殺菌との意外な共通点も!

スーパーでは色んな種類の牛乳が置いてありますが、低温殺菌牛乳を購入したことはありますか?

低温殺菌牛乳はなかなか売られていませんが、こだわりのある方はまず選びたい牛乳の一つです。

管理栄養士みのり

この記事では、管理栄養士が低温殺菌牛乳のメリットとデメリットや超高温殺菌牛乳との意外な共通点についてまとめました。

もくじ

低温殺菌牛乳のメリットとデメリット

低温殺菌牛乳のメリットは、生乳本来の味に近いこと、新鮮な生乳で作られていること、そして自宅でモッツアレラチーズが作れることです。

一方で、安全に食べることができる期限が短いことや購入可能なスーパーが多くない点がデメリットとして挙げられます。

新鮮でなければならないこともあって、お値段がやや高いことも気になります。

メリット
デメリット
  • 生乳本来の味に近い甘みがある
  • 新鮮な生乳が使われている
  • 自宅でモッツアレラチーズを作れる
  • 消費期限が短い
  • 購入できる場所が多くない
  • ちょっと高い

低温殺菌牛乳の3つのメリット

低温殺菌牛乳には、新鮮がゆえに絞りたてに近い味が楽しめることやチーズ作りもできます。

そんな低温殺菌牛乳のメリットについてさらに詳しく解説します。

低温殺菌牛乳のメリット①生乳本来の味に近い甘みがある

低温で殺菌されているため、たんぱく質の変性が起こりにくいのが特長です。

この「変性」が起こりにくいため、自然の甘さをたのしめるのが低温殺菌牛乳の1つ目のメリットです。

低温殺菌牛乳のメリット②新鮮な生乳が使われている

意外かもしれませんが、一般的な牛乳は搾乳されてから何日も経っている生乳を使っていることもあります。

しかし低温殺菌牛乳は違います。

牛乳は絞ってすぐに加工しなければ細菌が繁殖し、鮮度だけでなく品質も劣化してしまいます。

絞ってから間もない生乳を飲むことができることが2つ目のメリットです。

低温殺菌牛乳のメリット③モッツアレラチーズが作れる

超高温殺菌牛乳では、イオン状(溶けた状態)のカルシウムが熱によってリン酸と結合します。リン酸とカルシウムが結合してしまうと、その構造上チーズを作ることはできません。

しかし、低温殺菌牛乳にはイオン状のカルシウムがリン酸と結合することなく残っています。

この、モッツアレラチーズを作れることが3つ目のメリットといえるでしょう。

モッツァレラチーズは自宅で簡単に作ることができます。レシピはこちらに掲載しています。

低温殺菌牛乳の2つのデメリット

低温殺菌牛乳には衛生管理の難しさや購入可能なスーパーが少ないなどのデメリットもあります。

そんなデメリットについてさらに詳しく解説します。

低温殺菌牛乳のデメリット①消費期限が短い

低温殺菌牛乳は賞味期限ではなく、消費期限なのをご存知でしたか?

体に有害な細菌のみを殺菌するため、すべての菌が死滅しているわけではありません。

そのため安全に飲める期間として消費期限が設定され、消費期限は製造から5日程度ととても短いのです。

タカナシ低温殺菌牛乳には品質劣化が生じやすいと記載されています。

一方で超高温殺菌牛乳はある程度の細菌を死滅させており、おいしく飲める期間として賞味期限が設定されています。

低温殺菌牛乳のデメリット②購入できる場所が多くない

低温殺菌牛乳は自然派スーパーには置いてありますが、スーパーで普段目にする牛乳は超高温殺菌されたものが多いです。

低温殺菌牛乳は値段も少し高いため、安い超高温殺菌牛乳を購入する傾向にある消費者のニーズによって購入場所が多くないことが考えられます。

低温殺菌牛乳とは?

低温殺菌牛乳は、100年以上前から乳製品の理想的な殺菌方法として利用されていました。

低温殺菌では、62〜65℃で30分間、味や風味を損なわず有害な細菌のみを殺菌します。

1800年代にフランスで発明された殺菌方法で、発明者のパスツールからとって「パスチャラゼーション」とも呼ばれています。

低温殺菌牛乳と超高温殺菌牛乳との違い

低温殺菌牛乳は62〜65℃で30分ほど殺菌します。超高温殺菌牛乳は120℃〜150℃で1〜3秒ほどの殺菌時間です。
超高温殺菌よりもさらに高温の130℃〜150℃で1~3秒処理する「超高温滅菌法」もあります。

超高温滅菌法は滅菌された状態を維持できる殺菌温度と特殊な容器を使用しているため、常温保存が可能です 。

低温殺菌牛乳と超高温殺菌牛乳、両者の長所を活かしたものが高温殺菌牛乳です。殺菌時間が15秒程度と短いので大量生産が可能です。そして、風味を損なうことなく市場へと供給が可能です。

牛乳は、容器に殺菌温度と殺菌時間を表示する義務があります。購入時に知ることができるので購入前にチェックしてみてください。

 低温殺菌牛乳高温殺菌牛乳超高温殺菌牛乳
 LTLT法 (Low Temperature Long Time)HTST法 (High Temperature Short Time)UHT法 (Ultra High Temperature)
味(自然な味か)
値段
買いやすさ
日持ち
鮮度
殺菌温度62~65℃70℃120~150℃
殺菌時間30分15秒程度2~3秒

※味については、一般的に流通して飲み慣れている超高温殺菌の方がお好きな方もいらっしゃいます。

低温殺菌牛乳と超高温殺菌牛乳の共通点

低温殺菌牛乳と高温殺菌牛乳の栄養価は同じです。意外かもしれませんが、ビタミンやたんぱく質などの栄養面では全く変わりません。

水溶性であるビタミンB1、B2、脂溶性ビタミンであるビタミンAどちらも加熱による影響はありません。

また、牛乳のアミノ酸スコアは100であり、効率よくたんぱく質として合成される良質なたんぱく源です。

アミノ酸スコアとは、体内で作ることのできないアミノ酸9種の割合が、その食品にどのくらい含まれているか示したものです。9種類のアミノ酸のうち1つでも少ないと、一番少ないアミノ酸の量しか吸収されないとされています

低温殺菌牛乳のメリットとデメリットまとめ

今回は低温殺菌牛乳のメリットとデメリットについてまとめてみました。

お子さまがいる家庭では、本来の牛乳の味はこんな感じだよ。と、飲んでもらうのも良いかもしれません。

また、お子さまと一緒にモッツァレラチーズを作ってみるのも楽しいかもしれません。

「見かけたことはあるけど飲んだことはない。」そんな方はぜひ試してみてください。

牛乳に対する味の概念が変わること間違いなしです。


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この記事を書いた人

‘94年生まれ、たべることが大好きな管理栄養士で2児の母です。自身の体調不良と子どもたちの「味覚を守りたい」という想いから、1年ほど前に無添加生活をスタート。Instagramでは食育×身体にやさしい保存食レシピを中心に紹介しています。

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