特別栽培米と減農薬米の違いとは?通常の栽培方法との違いや選び方を紹介

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日本の食卓に欠かせないものといえばお米。

毎日私たちが口にするものだからこそ、安心安全なお米を選びたいですよね。

お米を探しているときに、特別栽培米と書かれたお米を見かけることがあります。

安全なイメージを持って特別栽培米を購入している人も多いと思いますが、減農薬米との違いは何でしょうか。

また特別栽培米は、どのように栽培されているお米なのでしょうか。

この記事では、特別栽培米と減農薬米の違いを徹底的に解説していきます。

そして通常の栽培方法との違いや、選び方についてもご紹介していきます。

正しく知って、お米選びの参考にしてくださいね。

この記事で分かること
  • 特別栽培米と減農薬米の違いを知りたい
  • 特別栽培米と減農薬米が通常の栽培方法と何が違うのか、選び方を知りたい
もくじ

特別栽培米と減農薬米の違いとは?

特別栽培米と減農薬米の違いは、農林水産省が定めるガイドライン基準を満たしているか否かです。

特別栽培米とは

特別栽培米とは、農薬や化学肥料の使用量を通常の半分以下に減らして栽培されたお米です。

特別栽培米は、農林水産省が定める「特別栽培農産物に係るガイドライン」に沿って栽培方法が定められています。

ガイドラインは、土壌汚染を抑え環境負荷を減らすことなど、自然と共生した農業を維持増進することを基本としてつくられています。

栽培方法は具体的に、お米の生産地域で一般的に使われている農薬や化学肥料の使用量と比べて、

  • 農薬の使用回数が5割以下
  • 化学肥料の窒素成分量が5割以下

で栽培するというルールがあります。

この二つの栽培基準をどちらもクリアしたものが特別栽培米として販売されています。

ただし、有機JAS規格で使用が認められている農薬についてはカウントされていません。

有機JAS規格の詳しい内容についてはこちらの「オーガニックとは簡単に?有機の意味や地球にやさしいワケとは。」の記事でもご紹介しています。

各地域でお米を作る際に昔から使われてきた農薬や化学肥料の使用量は、都道府県ごとに決められています

しかし、米作りの盛んな地域では県全体ではなく、地域や品種によって栽培基準が異なります。

例えば、米の生産日本一位の新潟県では、栽培基準が県内の14の地域ごとに定められています。

農薬の使用回数は、一番多い十日町地域で19回、少ない糸魚川地域で17回となっています。

また、化学肥料に含まれる窒素成分量は、それぞれ10kg、6kgとなり、これらを半分以下にしたものが各地域の特別栽培米の認証基準となります。

十日町地域の従来の米糸魚川地域の従来の米
農薬19回17回
化学肥料に含まれる窒素量(1,000㎡あたり)10㎏6㎏
十日町地域の特別栽培米糸魚川地域の特別栽培米
農薬9回8回
化学肥料に含まれる窒素量(1,000㎡あたり)5㎏3㎏

このように、地域ごとに細かい栽培基準が決められているのは、作物の病気や発生しやすい害虫が、環境によって違うためです。

参考:http://www.niigata-ninshou.jp/nousan/image/kijyun_kome_daizu.pdf

同じ特別栽培米であっても生産地域によって栽培基準が違うのですね!

また、特別栽培米のガイドラインでは、栽培責任者以外に、栽培状況を確認する確認責任者の存在が義務付けられています。

栽培方法が特別栽培米の基準を満たしているか、厳しくチェックされているのですね。

減農薬米とは

一方、減農薬米とはどういったお米なのでしょうか。

減農薬米は、その名の通り通常より栽培時の農薬の使用回数を減らして栽培されたお米です。

しかし、2007年に改正された「特別栽培農産物に係るガイドライン」によって、農産物に「減農薬」や「無農薬」という表示をすることは禁止されています。

「減農薬米」という表示は、生産者によって基準が異なり、消費者にとって「どんな農薬をどの程度減らしたお米」なのかが曖昧で分かりづらく、誤解を招く可能性があるというのが禁止された理由です。

こうした消費者の混乱をなくすため「減農薬米」や「無農薬米」という表示の代わりに「特別栽培米」という表示に統一され、その栽培方法について商品に明確に表示するルールが作られました。

農薬を減らして栽培された商品は、「節減対象農薬:生産地域比〇割減」と、農薬を減らした割合を明記することをルールとしています。

節減対象農薬とは、全ての農薬から有機JAS規格で使用可能な一部の農薬を除外したものを指します。

ルールの改正以降、減農薬米の表示をする商品は少なくなっています。しかし、ルールに違反することに罰則規定があるわけではなく、完全になくなっていないのが現状です。

参考:https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/tokusai_a-2.pdf

特別栽培米と減農薬米の通常の栽培方法との違いは

特別栽培米と減農薬米が通常の栽培方法とどのように違うのか詳しく解説します。

通常のお米の栽培方法は、生産地域の習慣的な栽培方法という意味で慣行栽培米と呼ばれます。

減農薬栽培米は、2007年に改正された「特別栽培農産物に係るガイドライン」によって表示が禁止されたため、ここでは表示していません。

栽培名農薬化学肥料収穫量生育期間
特別栽培米慣行栽培の5割以下慣行栽培の5割以下やや少ないやや日数がかかる
慣行栽培米使用あり使用あり標準標準

慣行栽培米は、農薬や化学肥料を使用することでお米を効率的に大量に栽培することができます。

その一方で、お米から検出される残留農薬の危険性が指摘されています。

また、農薬や化学肥料による土壌汚染で、微生物や特定の昆虫類がいなくなってしまうなど、自然循環機能への影響も問題となっています。

特別栽培米は、慣行栽培米に比べ収穫量が少なく、農薬の使用を減らすことで病害虫の発生リスクが上がり、生産者にとっては手間のかかる栽培方法です。

しかし、農薬や化学肥料の使用量を半分以下に減らして栽培することで土壌汚染を抑えることができ、環境負荷の低減につながっています。

特別栽培米は、慣行栽培米に比べ農地の生態系への影響も少なく、農業の自然循環を維持増進する栽培方法として注目されています。

特別栽培米と減農薬米の選び方

特別栽培米と減農薬米の選び方について見ていきましょう。

特別栽培米は、商品の表示に関していくつかルールが決められています。

特別栽培米を選ぶときは、商品パッケージの裏面に注目しましょう。

赤枠内には以下の項目が書かれています。

  • 農林水産省新ガイドラインによる表示である旨
  • 特別栽培米の名称
  • 節減対象農薬の使用状況
  • 化学肥料の窒素成分量
  • 栽培責任者の情報
  • 確認責任者の情報
  • 精米責任者の情報

上記のうち、節減対象農薬と化学肥料についての表示に注目してみましょう。

農薬、化学肥料ともに不使用の場合であっても、「無農薬」の表示はせず、栽培期間中に農薬や化学肥料は不使用であることが記載されていることがポイントです。

また節減対象農薬を使用した場合は、農薬の名称や用途、使用回数についても記載する決まりがあります。

表示スペースがなく記載できない場合は、上の画像の青枠内のようにホームページのURLやQRコードが記載されており、ホームページ上でその使用状況をチェックできます。

引用:https://www.ja-tajima.or.jp/agricultural/guideline/cat445/cat422/

気になる農薬や化学肥料の使用に関する情報が、しっかりと記載されています。

特別栽培米を購入する時は、ぜひチェックしてくださいね。

まとめ

この記事では、特別栽培米と減農薬米の違いや、通常の栽培方法との違い、特別栽培米と減農薬米の選び方をご紹介しました。

特別栽培米は、環境負荷に配慮された栽培方法で農業の自然循環機能を高めるお米であることが分かりました。

また、ひと口に特別栽培米といっても、地域や県によって栽培基準に違いがあることや、「減農薬米」という商品表示はガイドラインによって禁止されていることも分かりました。

特別栽培米の基準や表示のルールを正しく知って、お米を購入する際の参考にしてくださいね。

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この記事を書いた人

「人は食べたものでつくられる」という言葉をきっかけに食の安全を意識し始め、がんばりすぎない無添加生活をスタート。子どもの食物アレルギー克服のため苦手だった料理にも勤しむ毎日。兵庫在住、夫・娘の3人暮らし。好きな言葉は「今日が一番若い」。

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