海外で禁止されている日本の食品リスト|日本の食品添加物が多い本当の理由

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現在、日本で使用が認められている食品添加物は829種類。(2022年8月時点)

このうち、日本では添加物や食品として使用が認められているにも関わらず、海外では食品への使用が禁止または制限されている添加物と食品があります。

そこで今回は、海外で禁止・制限されている日本の食品リストを管理栄養士みのりが紹介します。

みのり

日本で食品添加物が未だに多く使われている本当の理由も解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • 海外で禁止されている日本の食品と添加物が知りたい方
  • 日本の食品添加物が多い理由を知りたい方
もくじ

海外で禁止されている日本の食品リスト

海外で使用が禁止されている日本の食品は、たん白加水分解物トランス脂肪酸です。

たん白加水分解物とトランス脂肪酸は、諸外国で使用の制限や上限、使用の表示義務がありますが、日本ではそのような規制はありません。

たん白加水分解物

たん白加水分解物は、製造過程において発がん物質が発生することがFAOとWHOの合同食品添加物専門家会議(JECFA)で明らかになっています。

うま味の素である植物性のたんぱく質を塩酸で処理する際に、たんぱく質に含まれる脂質と塩酸が反応してクロロプロパノール類 (MCP)という発がん物質が発生します。

アメリカやEUなどの海外では、醤油を中心にクロロプロパノール類の使用基準値を設けています。

一方、日本ではたん白加水分解物の低減化を目指して農林水産省が指導を行っていますが、明確な規制はありません。

使用用途うま味を作りだす
よく使われる食材顆粒だし、濃縮だし、納豆のタレなど
人体への影響製造過程で発がん性物質のクロロプロパノール類を生成する
禁止・制限している国アメリカ・EU・フィリピン・韓国・シンガポールなど

参考文献:
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/c_propanol/international.html
https://www.fsc.go.jp/topics/factsheets-chloropropanol.pdf

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、世界保健機関(WHO)によって心筋梗塞と肥満、アレルギー疾患に関連があることが明らかになっています。

トランス脂肪酸は世界各国で使用制限や表示義務を行うなどの対策が進められています。

EUでは、食品中のトランス脂肪酸の上限値を2021年から施行しています。

また、アメリカやシンガポール、中国、韓国、台湾、香港では食品中のトランス脂肪酸濃度の表示を義務付けしています。

使用用途サクサクとした食感や、カラッとした食感に仕上げる
よく使われる食材ケーキ、パン、お菓子、植物油など
人体への影響心疾患リスクなどを上昇させる
禁止・制限している国アメリカ、EU、カナダ、韓国、中国、台湾、香港
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日本では使用制限と表示義務はありませんが、トランス脂肪酸の低減に向けた対策を進めている食品メーカーや外食チェーンはあります。

参考文献:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091319.html
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/overseas/usa.html

海外で禁止されている日本の添加物リスト

海外で禁止されているにもかかわらず、日本では使用が認められている添加物は、臭素酸カリウム加工でんぷんの一部、そして着色料の一部です。

臭素酸カリウム

臭素酸カリウムは、1982年に日本で発がん性が認められましたが、当時の厚生省は最終食品の完成前に分解か除去することを条件にパンへの使用を認めています。

1997年までにEUのほとんどの国で使用が禁止され、2003年までには南米、さらに2005年には中国での臭素酸カリウムの使用が禁止されています。

使用用途小麦粉の改良剤
よく使われる食材パンのみ
人体への影響国際癌研究機関(IARC)の発がん性に関する評価では、「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」に分類されている
禁止・制限している国EU、南米、中国

参考文献:https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-kbro.pdf

加工でんぷん

加工デンプンは、現在日本で12種類が使用されています。

12種類の加工でんぷんのうち2種類*は、製造の際に用いる化合物の安全性が不明瞭であることからEUでは乳幼児の対象商品への使用を禁止しています。

*ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化 リン酸架橋デンプン

使用用途食品へのとろみ付け
よく使われる食材ベビーフード
人体への影響安全性が十分に確認されていない
禁止・制限している国EU
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日本では、適切な使用下において安全性に問題はないとされ、1日の摂取許容量さえ設定されていません。

参考文献:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/07/dl/s0704-15m.pdf

着色料

合成着色料

赤102や黄4、青1など、色+数字で表記される合成着色料は、子どもの行動と注意力に有害影響を及ぼす可能性があるとしてEUでは注意喚起表示が義務付けられています。

使用用途食品の色付け
よく使われる食材赤いウインナー、紅生姜、漬物、かき氷シロップなど
人体への影響子どもの行動と注意力に有害影響を及ぼす可能性がある
禁止・制限している国EU

二酸化チタン

二酸化チタンは、発がんの促進作用のようなものがあるとして2020年からフランスで使用が禁止されている白色の着色料です。

EUでは、食品添加物としてチューインガムや歯磨き粉などに使用が認められています。

しかし、フランスの食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、二酸化チタンがナノ粒子で生体組織を通過しやすいため危険だと結論付けています。

使用用途白色の食用着色料
よく使われる食材ホワイトチョコレート
人体への影響発がん促進作用がある
禁止・制限している国フランス
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オーガニック先進国と言われるフランス独自の規制ですね。

参考文献:http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu05610070475

カラメル色素Ⅲ、Ⅳ

カラメル色素Ⅲ及びⅣは、製造過程で有害物質が発生することがアメリカの国家毒性プログラム(NTP)で明らかになっています。

カラメル色素Ⅲ及びⅣを製造する際に、砂糖やアンモニア、亜硫酸塩が化学反応を起こして4-メチルイミダゾールという有害物質が生成されます。

国際がん研究機関(IARC)は 4-メチルイミダゾールを「ヒトに対する発がん性が疑われる」と結論づけています。

2011年、カリフォルニア州では清涼飲料水のカラメル色素ⅢとⅣ(4-メチルイミダゾール)が基準値以上の場合、「発がん物質が含まれている」旨の表示を義務化しています。

使用用途茶色の食用着色料
よく使われる食材炭酸飲料、スナック菓子、醤油など
人体への影響ヒトに対する発がん性が疑われる
禁止・制限している国アメリカ(カリフォルニア州)

参考文献:https://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu04110150105

海外と比べて日本の食品添加物が多い本当の理由

海外と比べて、日本では添加物が多いです。

その理由は、「美味しくて安全なものを、いつでもどこでも安く手に入れたい」と私たち消費者が求めているからです。

日本全国のコンビニやチェーン店では、全く同じクオリティの食品を24時間揃えておくことが求められます。

みのり

一定品質かつ安いものを求めた消費者の需要に合わせるには添加物を使って供給するしかなかったのです。

まとめ

海外で禁止されている日本の食品と添加物をまとめました。

食品に分類されているたん白加水分解物やトランス脂肪酸が諸外国では禁止・制限されているにも関わらず、日本では制限すらされていません。

これは、安価なものを求める私たち消費者側にも問題があります。

より安くより安全に、消費者へ一定量を届けるためには、添加物は欠かせません。

消費者一人ひとりが食の安全や消費行動を見直すことで、日本の添加物が減るきっかけになるのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

‘94年生まれ、たべることが大好きな管理栄養士で2児の母です。自身の体調不良と子どもたちの「味覚を守りたい」という想いから、1年ほど前に無添加生活をスタート。Instagramでは食育×身体にやさしい保存食レシピを中心に紹介しています。

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