インスタントコーヒーは体に悪い?アクリルアミドの危険性を管理栄養士が解説
忙しい朝やおやつタイムなどに重宝されるインスタントコーヒー。
お湯を注ぐだけで手軽に楽しむことができるインスタントコーヒーはとても便利ですよね。
インスタントコーヒーを自宅や職場に常備している方は多いのではないでしょうか。
一方で、インスタントコーヒーに含まれるアクリルアミドの危険性が気になりますよね。
そこで今回は、インスタントコーヒーに含まれるアクリルアミドの危険性を管理栄養士が解説します!
- インスタントコーヒーのアクリルアミドが気になる方
- アクリルアミドとは何か知りたい方
インスタントコーヒーは体に悪い?
2007年、国立がん研究センターの研究論文によると、コーヒーを1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べ24%低いことが分かっています。
つまり、一日4杯までのコーヒー摂取は死亡リスク低下に関連している可能性が高いことが明らかになっていています。
コーヒーが体に悪くなく、むしろ死亡リスクを低減すると考えられる理由は2つあります。
- 1つ目は、コーヒーに含まれるクロロゲン酸による効果です。クロロゲン酸は血糖値を改善し、血圧調整作用、さらに抗炎症作用があるといわれています。
- 2つ目は、コーヒーに含まれるカフェインによる効果です。カフェインは血管内皮の機能を改善する効果があるとされています。また、カフェインには気管支拡張作用があり、呼吸器機能の改善効果があるのではないかと言われています。
コーヒーに関しては外国での調査データが多いですが、日本人を対象にしたデータがあるのは嬉しいですね。
インスタントコーヒーに含まれるアクリルアミドとは
アクリルアミドとは、ぶどう糖や果糖と、アミノ酸の一つであるアスパラギンを多く含む食品を高温で調理すると発生する有害化学物質です。
食品中のアクリルアミド濃度の例(国内のデータ)
農林水産省のホームページでは、アクリルアミドを減らす調理方法やアクリルアミドが発生しやすい食品などが詳細にまとめられています。
アクリルアミドが発生しやすい食品は具体的に、じゃがいもを揚げたフライドポテトや小麦が原料となる焼き菓子のビスケット、きび砂糖、てんさい糖などの含みつ糖が挙げられます。
そして高温で焙煎されたコーヒーにはアクリルアミド濃度が高い傾向にあります。
粉末であるインスタントコーヒーは、一回当たりの使用量は多くありません。
しかし、飲む量が多いとその分アクリルアミドの摂取量も増えてしまうので注意が必要ですね。
アクリルアミドが体に悪い理由
WHOの外部組織である国際がん研究機関(IARC)によると、アクリルアミドは「ヒトに対しておそらく発がん性がある」と分類されている化合物です。
2005年には、国際連合食糧農業機関(FAO)とWHOからなる合同委員会が「食品中のアクリルアミドは健康に害を与える恐れがあり、含有量を減らすべき」という勧告を出しています。
インスタントコーヒーは体に悪い?アクリルアミドの危険性のまとめ
インスタントコーヒーは身体に悪いのか、アクリルアミドの危険性とともにまとめてみました。
インスタントコーヒーは、1日3〜4杯程度であればコーヒーに含まれる有効成分によって死亡リスクが減ります。
一方で、インスタントコーヒーにはアクリルアミドが含まれていることも事実です。
インスタントコーヒーの過剰摂取は、アクリルアミドの過剰摂取の要因となってしまうため、飲みすぎはよくありません。
食べ過ぎや飲みすぎが良くないことは全ての食品に言えます。
適量を守りつつ手軽に飲めるインスタントコーヒーを楽しみましょう。
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